シイタケの島

ある日、なんにもない島で。
〜 Chapter5 〜
やがて、島には長い年月が流れました。
今日も男は浜辺に座り、いつものように沈みゆく夕陽を眺めていました。
その髪はすっかり白くなり、顔には深いしわが刻まれています。
日に焼けた腕にもかつてのたくましさはなく、腰もずいぶん曲がっているようです。
彼のそばには、やはりいつものように、
あのシイタケが寄り添っていました。

すっかり夕陽も沈み、あたりに夜が訪れるころ。
浜辺に横たわった男は、そばにいるいきものたちに話しかけるともなく、
夜空に向かってつぶやきました。

「ここに流れ着いて、もうどのくらいたつのだろう。
  それももう、今となっては」

そして指先にまとわりつくいきものを、優しくみつめました。

「どうやら、そろそろサヨナラが近いようだ。君たちとは言葉も
 交わしたことがなかったが…。一緒にいられてよかったよ」

そして、男は静かに目を閉じたのです。


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